【山行名】ニセイチャロマップ岳（石ノ沢北西面直登沢）
【年月日】2014年7月20日（日）
【メンバ−】Ｌ）なお Ｍ）marbo、朋さん
【記録】
２０日 5:52（林道車止め）→8:00（枯山水）→8:23（明るい岩壁）→10：03（標高1380m付近の三股）→11:37（ニセイチャロマップ岳）12:32→16:58（標高650ｍ付近の作業道）→17:15（林道車止め）
【行動概要】
三連休は、石狩沢から石狩岳を登り、根曲り廊下を通って沼ノ原界隈を周遊することを考えたが、賛同者がおらずモチベーションダウン。
途中敗退で終わっていた狩場山（小田西川）とニセイチャロマップ（石ノ沢）＆武利岳（中ノ沢）を再案内したところ、ニセチャロ＆武利岳にmarboがエントリーしてくれた。marboつながりで、朋さんも参加することになり、三名パーティとなったが、諸般の事情で武利岳は単独山行となった。出発直前の変更計画書提出などで少々バタつく。
１９日
夕方札幌発。 待合せ場所の白滝高原キャンプ場までは、高速を使えば３時間ちょっと。ＥＴＣの５割引きキャンペーンが終わったので、三割引で2600円也。
三連休初日の白滝キャンプ場は、なかなかの混み具合。キャンプ場の駐車場に入ってすぐの所に車を停めて、会から払い下げを受けたダンロップの夏テンを設営。一人でも十数分で設営完了。夏山ベース用としては、良くできているテントだ。６人用なので、広いし室内高もある。使い勝手が良さそう。
朋さん車は、出発が遅れ、夜中の到着になるとのこと。冷奴と焼肉弁当を肴にビア二本飲んで、就寝。marboが到着した音で一瞬目覚めたが、ここで起きてしまっては寝られなくなる。数分後には再び深い眠りに落ちる。
２０日
深夜、車両が出入りする音や人の歩く声で目覚める。そうこうしているうちに「管理棟前に駐車している車両は、トラック搬入の邪魔になるので移動してください！」とのアナウンスが始まった。時計を見ると、深夜というか朝方の三時前。起床時間まで二時間もある。まさかの夜明け前アナウンスにmarboも目覚める。執拗な車両移動アナウンスを真面目に聞いてみると、どうやら自分の車も対象になっているようだ。理由は分からんが、車を移動せよとの命令的なアナウンスのように聞こえたので、車を移動することとした。薄明るくなった中、何かのイベントが開催されるのか、スタッフが忙しそうに動き回っていた。言われるがままに車を動かし、駐車場の誘導スタッフに何事か聞いたところ、「走るんだよ、山の中を、70kmと100km」との回答。まともな回答になっていなかったが、何となくピンときた。管理棟近くのスタッフの会話やその後のアナウンスの内容を整理すると、キャンプ場がトレランのスタート地点になっており、スタート時間は４時、テントを設営した場所の近くに立っていたプレハブは、大会受付と荷物預所になっていること、駐車場は大会関係者を乗せたバスの転回場になっていることが分かった。深夜に到着したmarboはほんの少ししか寝ていない。憤りレベルは最高潮に達していた。
３時半になると音楽が流れ始め、大会ＭＣのトークまで始まる。大会参加者はスタートに向けて気持ちを上げていく時間帯かもしれない。夜が明けてくるとスタート会場が見渡せた。スタート地点は、大会スポンサーになっていると思われる山道具の有名メーカーの登りがたくさん立っていた。マムートの宣伝グッズが群を抜いていたので、メインスポンサーなのだろう。
山や改めなんちゃってランナーとしては、トレランも気になっていたところ。初めて見るトレランのスタート光景に密かに心躍らせる自分がいた。そして、スタート地点を写真に収める自分がいた。
山路を100km以上走るのだから当然といえば当然なのだろうが、スタート時のスピードは一般的なマラソン等に比べればかなり遅めで、ゆったりのんびりした感じだった。
車両移動アナウンスにひるむことなく、車中泊していた朋さんも起きてきた。二度寝はできないので、早めのご出立。朝食は林道車止めで取ることにした。
石ノ沢は、北の山脈３９号（1979年9月北海岳友会の記録）に掲載されていた支湧別岳の沢とともに見つけた沢。昨年、沼さんと計画したが、支湧別だけで終わって宿題となっていた。
北の山脈の記録のほかに、近年では元会員のヤマさんの記録が新しい。両者の記録を読む限りにおいては、それほどの難しさはないようだった。この沢を上がって踏むピークは、通称ニセイチャロマップ岳と呼ばれているが、三角点があるわけではなく、marboから聞いた所によると、古い時代の五万分一地形図にその名が記されていたということだった。武利岳から平山方面に延びる稜線と支湧別岳へ延びる稜線がぶつかるジャンクションピークのような存在。
石ノ沢については、特筆するようなことはないが、あえていうなら、入渓地点のショボさ、中間地点の枯山水、ピーク直下の思いのほか急傾斜な緑の絨毯登りだろうか。
ピークでの景色は良く、お隣の支湧別岳、武利岳、平山やその先の大雪の山並みが見渡せた。なかなか快適で心地よいピークだった。
睡眠不足による疲労は遡行時から感じていたが、下降時は一層応えた。遡行時より長く感じた行程と行動時間、そしてやっぱりこの界隈はダニが多い。ちなみに、下降時に一箇所だけラッペルした。
下山後、車止めでmarboとダニチェック。marboのお腹に一匹食い付いていたので、アルコール＆ピンセットで完全除去。ダニの多い沢では、シャツの裾はズボンの外ではなく、中に入れるのが鉄則だろう。格好悪いけど。ダニ防御にはシャツインの徹底。
道道に出たところで別れ、俺は単独で丸瀬布町へ。車を運転しながら、何かドブくさい匂いがするとおもったら、着替えぬままにはいていたサポータータイツから発するかほりだった。白滝発祥の地の記念碑がある所で着替える。藪の中からマットを背負ったクライマーが二人現れびっくり。
彼らが出てきた藪の中を確認すると、踏み跡があったので、辿ってみると、チョークで真っ白になった黒い岩があった。
丸瀬布のセイコーマートでビア２本、氷、つまみ（麻婆春雨）を調達して、森林公演オートキャンプ場に移動。管理棟で手続きをしてからキャンプインしなければならないが、広いキャンプ場で管理棟がどこにあるのか分からない。疲れた体で探して歩くのが面倒だったので、駐車場の片隅に幕営することにした。良識ある社会人としては、明るいうちから堂々と設営することがはばかれたので、キャンプ場のトイ面にある山彦温泉に入って、暗くなってからテントを設営することとした。
水は、駐車場の近くにあった公園仕様の水飲み場からゲット。水はゲットしたものの、水入れが底の方で水漏れしていることを発見。2010年７月購入のお気に入りの広口ナルゲン。経年劣化するには早すぎるような…。持参した全ての食器とコッヘルに水を移し替える。食器類はジャスト2.5L分の容量があった。
テントに入って、ようやくビアにありついた。なんだかんだで21時。密かに忙しかったが、その分、ビアは格別の味。つまみとして調達した麻婆春雨は、簡単・お手軽・短時間の料理。米を炊いたが、水の量が多かったのか、炊き方なのか、柔らか飯になってしまった。飯炊きには自信があったのだが、お湯入れご飯山行ばかりやっているうちに、飯炊きの水の量、火加減など微妙な感覚を忘れてしまったようだ。
ビア３本とつまみでお腹が落ち着いてきた。夕飯は、レトルトのグリーンカレーだったが、朝食に回して、麻婆春雨丼を夕食とした。
ご飯を食べて、いつの間にか寝込んでしまったようだ。寒くて目を覚ますと、食器に入れていた水がひっくり返って、シュラフとシャツが水浸しになっていた。夜風も追い打ちをかけ、すっかり体が冷え切ってしまった。
２１日
４時起床。グリーンカレーを胃に流し込み、出発。途中、留辺蘂方面には抜けられませんという看板や山彦の滝ゲートで通行止めという道路案内標識があったが、森林管理署のＨＰで武利岳登山道までの林道の通行止め解除のお知らせを確認していたので、なんの疑問も抱かなかった。
そんな訳で山彦の滝ゲートで、まさかの通行止めを知った時のショックは大きかった。久しぶりのアプローチ敗退。山彦の滝駐車場で、テントを２張り設営し、テント干し。その間に山彦の滝を見学。テントを撤収していると、ランクルとタウンエースがやってきて、ゲートを開けて中に入った。どう見ても工事等関係者には見えなかった。何と腹立たしいことか。
くさっていても、精神衛生上、よろしくないし、そこからは何も生まれない。道路地図を見ながら、前向きに次善の策を考える。アプローチ敗退を経験すると、山行規定の縛りを恨めしく思う。柔軟な計画変更手続きを取れないものか。
帰路途中にある白滝の自然休養林に立ち寄ってみたら、ここもトレラン規制がひかれていた。トレランに始まりトレランに終わる三連休。ランナーに転向せよとの神のお告げなのかもしれない。
翌日、通行止めの件について、関係行政機関に電話確認してみた。
網走建設管理部遠軽出張所には、道道上武利丸瀬布線（1070号）の通行止めの件を確認した。落石のおそれがあり５月３０日から通行止めにしていること、今後の開通の目処はないこと、山彦ゲートの奥にもゲートがあり、登山道入り口までは行けないこと、登山道入り口に行くためには留辺蘂側の林道から入らなければならないこと、ゲートの鍵の貸し出しは行なっていないこと、ゲートを開けて中に入った車両は工事等関係者以外考えられないということだった。
網走西部森林管理署には、北海道森林管理局のＨＰ（登山等に関する通行規制等について）で公表されている「武利岳登山道に通じる林道の通行止め解除について（平成２４年１１月２１日）」について確認した。事務連絡に記載されている武利本流林道は道道上武利丸瀬布線の先線にあること、現在道道は通行止めになっているが、武利本流林道は北見側に抜けているので、留辺蘂側から入れば、武利岳登山道入口に行くことができるとのことだった。
関係行政機関の連携が悪すぎること、登山者に対してＨＰで公表するアプローチ林道情報は、管理する林道だけの情報だけではなく、接続する道路情報も行政サービスとしてお知らせすべきとクレーマー的な意見を申し上げようと思っていたが、電話に出た職員の対応が良く、冷静に考えると、事前に電話一本入れて確認すればこのようなことにならなかったよな…てな気持ちになって、憤りが静まった。そういうことで、机上での事前調査不足でした、チャンチャン。
2006年８月の夏休み山行が、雨のために転戦することとなり、沼さんリーダーの武利岳山行に入れてもらった時に使った林道は、まさに留辺蘂側からの林道アプローチだったこと、結局、中ノ川も増水していたため、夏尾根を登ろうとしたが、林道が崩壊していたので、更なる転戦を強いられて緑岳登山になったことを思い出した。
この三日間で走った距離は約560km、高速代とガソリン代を合わせると9千円弱。自身の山行活動等について考える時間はたくさん持てたが、Ｂ／Ｃの低い山行となった。（Ｂは達成感や充実感に置きかえてみた。）
